こんなときどうする?にお答えする よくある質問 老齢の母親が一人暮し

行政書士 舘形雅行 - 相模原市 ふじみ合同法務事務所

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こんなときどうする?こんなときどうする?

ここではいろいろな事例を紹介していきます。


質問大 老齢の母親が一人暮らし。将来、痴呆の心配が・・・

東京で仕事をしているCさんには、実家の宮城で一人暮らしをしている母親がいます。 その母親が最近、布団の業者が来て、強引に勧められ、ついつい契約しそうになったこともあったといいます。 この先もここで暮らして行きたいということですが、高齢で、痴呆の症状がでてこないかということも心配です。 どうしたらよいのでしょうか?

回答大 痴呆症の方や障害者を守る成年後見制度

2000年にスタートした新しい「成年後見制度」を検討してみてはいかがでしょうか?
成年後見制度とは、痴呆症の方や知的障害のある方など判断力が不十分な方を、法律面や生活面で保護したり支援したりする制度です。
成年後見制度には2種類有ります。
今回の相談の場合には、任意後見制度の活用を検討することがよいと思われます。

法定後見制度

痴呆が進んでいて、契約が出来る判断能力がない場合
  ⇒本人の個別の事情に応じて、家庭裁判所が、適切な保護者を選びます。


任意後見制度

契約ができる判断能力がある場合
あらかじめ、代理人(任意後見人)を決めておき、自分の判断能力が 不十分になったときに備えて「任意後見契約」を結んでおくことができます。


任意後見制度の流れ

  1. 公正証書にて任意後見契約締結(元気なうちに)
  2. 判断能力が低下
  3. 家庭裁判所が任意後見監督人を選任
  4. 任意後見を開始

成年後見制度の仕組み

任意後見契約は、定められた様式の公正証書で締結し、後見登記する必要があります。
任意後見人をチェックするための後見監督人を置いています。 任意後見人に不正な行為等があった場合は、後見監督人は家庭裁判所に任意後見人の解任を請求できます。

後見人フロー


成年後見人の役割

  1. 財産の保全・管理
    ・預貯金、不動産などの財産の管理
    ・日常生活に必要なお金の出し入れ
    ・銀行や保険会社などとの契約
  2. 身上監護についての契約
    ・介護保険のサービスを受けるための契約
    ・病院の入退院手続き
    ・老人ホームの入居の契約
    ・賠償などの保険契約(老人ホームなど入居時に必要)
  3. 法律行為
    ・遺言書の作成
    ・土地や家屋などの資産の賃貸・売買

今回のケースでは、将来の備えとして任意後見契約を結ぶとともに、 日常生活での心配事をいろいろ相談できるような契約を別途することも考えられます。


(参考資料:神奈川県行政書士会発刊 「渡る世間は、リスクがいっぱい」)